2013年 04月 17日
東京都動物愛護相談センター見学会のこと |
先月の話ですが、都の動物愛護推進員対象の
動物愛護相談センター見学会に参加してきました。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/index.html
1時間半のレクチャーと30分程度の施設見学です。
レクチャーの内容をまとめようかと思っていた所、
過去に見学会に参加された方々がUPなさっている、
見学会レポートが色々とありましたので、細かな数字のデータ等は省きます。
今回の内容と重複する点も多かったので、興味のある方はご覧になってみて下さい。
地域によって様々なので、他県のレポートも是非チェックを!
以下は、見学会を通じて個人的に印象に残った部分のみ紹介します。
犬の殺処分数は、譲渡不可と判断される犬達以外は、
かなり減って来たとのことですが、猫はまだまだ多く、
全体のうち殺処分数の9割は「猫」だそうです。
今後、猫の殺処分数を減らして行くことが、最大の課題とのこと。
ある程度成長した子猫の譲渡はまだ良いのですが、
保護された成猫の譲渡は、性格上懐きにくい等かなり難しく、
また、へその緒がついた状態の子猫の場合も、生存率も低いそうです。
又、野良猫(地域猫)との共生をめざす活動も、
一定の成果を上げているということが判明しているようです。
屋外暮らしの猫の平均寿命は4年程度らしいので、
地域猫活動には賛否両論あるようですが、繁殖制限措置が行き届くと、
地域猫の頭数は確実に減少するというデータも出ているそうです。

H:「100%アウトドアライフは、色んな危険と隣合わせで、大変ニャ」
↑ このコは、数年前に植え込みの中で絡まり動けなくなって
ニャーニャー鳴いている所を私に見つかり、その後、猫飼育ベテランの方々に
無事レスキューしてもらえたHちゃんです。今はあるご家族の一員です。
施設内の保護動物達の撮影は不可でしたが、私が見学した日は、
猫の収容数は0で、犬は20頭くらいは収容されていたと思います。
施設はかなり古い物で、年季が入っていましたが、冷暖房完備で
清掃がなされており、犬達はまとめて複数ではなく、
個々のスペースに1頭づつ収容されていて安全を守られていました。
(1頭につき1個室のスペースが与えられていました)
保護犬の中には性格の良さ等から適性を認められて、
小学校での動物教室に活躍する保護犬達もいます。
見学当日も、動物教室に活躍する保護犬達はセンター内で過ごしていましたが、
落ち着いた様子で、数頭まとまって個室に居ました。
一昨年、某小学校の動物教室を見学に行ったので、
彼らが活躍する場面も実際に見ていた経緯があり、
日頃はこうして過ごしているのだなということが分かりました。
ちょっと残念に思ったのは、動物教室に貢献している犬達なのに、
寝床になるようなタオルケット等がスペース内に一切置いてなかったこと。
1〜2年くらいセンターにいるのであればもう少し高待遇でも良いのでは?
と思いました。
保護期間中(7日間)の犬達は、こちらに随時UPされています。
http://www.awic-tokyo.jp/
保護期間を過ぎた犬達の写真を掲載はされていません。
この日も、収容動物達の写真撮影はNGでした。
撮影可能か聞いてみた所、過去にセンターの動物達の写真をネット上に
掲載したことによって、まだ飼い主を探している保護期間中の動物に、
譲渡希望者からの連絡が多数発生してしまった等の問題が
発生したことがある為、撮影NGで・・・すみません!とのことでした。
(他の方がUPしている過去のレポートでは、動物達の写真も掲載されてあります。)
7日間の保護期間を過ぎた動物達の中で、譲渡に相応しいと判断された場合
センターが主催する譲渡会に出たり、譲渡対象団体等に引き取られるそうです。
譲渡に適さないと判断された場合のみ、殺処分となるそうです。
(犬の場合は噛み付く、治る見込みのない病気を煩っている、怪我がある等)
しかし、高齢であっても譲渡可能と判断し、引き取りを希望する保護団体や、
ドッグトレーナーがいる団体等では、訓練次第で更正ができると判断された上で、
引き取られるケースもあるようで、譲渡が難しいであろう動物であっても、
センターから保護団体に引き取られた後、正式譲渡に至るケースもあるようです。
最近では、ペットショップの方針等もあって、
マイクロチップの普及率もかなり上がってきたのですが、
マイクロチップが入っていても、肝心の飼い主情報が登録されていない(!)
というケースも多いそうです・・・。
また、マイクロチップ等から所有者が判明し、連絡がとれても
迎えに来ないというケースも少なくないそうです・・・(涙)

H:「入れるだけで登録してなかったら、何の意味もないニャ。」
以前は、マイクロチップから読み取れる情報はID番号のみでしたが、
最近では、詳細の情報をその場で読み取れるタイプのマイクロチップもあるらしく、
調べてみたところ、最新のものだとPCに繋げる必要もなく、読み取り機だけで
ペットの名前、生年月日、狂犬病予防等ワクチン接種・治療履歴、
血統証明等の動物情報、緊急連絡先など日本語換算で約100文字分の
情報が分かるそうです・・・すごい!
更に動物情報の書き込み、追記、履歴の更新が可能とのこと。
色々進歩してますね。
センターが開催する譲渡会で譲渡される犬というのは、
小・中型犬で比較的若く、元気があり性格的にも問題が少ないコに
限られているようです。安全面等を考慮した結果なのでしょう。
扱いやすいコをエントリーさせている可能性が高そうなので、
初心者の方は、センターが開催する譲渡会に参加すると良いかもしれません。
そうしようと思ったら、必ずセンターの開催する譲渡前講習会を受ける必要があり、
飼い主としての心構えが問われます。(譲渡前講習会は無料です)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/jouto/koushu.html
大型犬の場合などは保護団体への譲渡が多いようです。
団体譲渡の場合、個々について詳細が把握できているというメリットがあります。
希望者の適性もじっくり判断することが出来る点もあります。
センターの譲渡会にも出せず、保護団体でも受け入れてもらえないとなると、
保護動物達の数が多くなってきたり、受け入れ先が手一杯になってくると、
大きな問題がなかったとしても、行き場を失う可能性が出て来ます。
ボランティア団体の活動方針や譲渡条件等は
各団体に委ねられていますので、各団体のHP等を見ると知る事ができます。
譲渡対象団体のリスト
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/jouto/saimoku.files/jouto-dantai.pdf
センターからの譲渡よりは譲渡条件が厳しく設定されていることもあるようですし、
その逆もあるかもしれませんので、自分に見合う所を見つけ出す所からが課題です。
また、希望者と保護団体との間でトラブルが発生することも稀にあるようなので、
犬を迎える時は気持ちが高ぶり、焦りがちですが、
じっくり、ゆっくり、冷静に判断する気持ちが大事かと思います。
動物愛護相談センターの見学会は色々と勉強になりました。
今回は推進員対象の見学会でしたので、
推進員が活動する上で起こったトラブル等のお話も聞けました。
相手の気持ちや周囲の人達との環境や調和も考え、
人にも動物にも思いやりをもって判断し行動することや、
また、深刻な問題が生じた時には、一人で考え行動しないということも大事。
難しい課題ではありますが、相手の気持ちや周囲の人達との環境や調和も考えつつ、
人にも動物にも思いやりをもって、判断し行動することを心がけたいと思いました。
最後に思ったこと・・・
東京都動物愛護センターの施設自体が、古過ぎのような気がしたので
そろそろ新しい施設に作り替えても良いのではないかと思いました。
時代によって、その役割も呼び名も随分変わって来たようですし、
法律も随分変わっているので、都度、対応に追われる職員さん達も、
一苦労だとは思うのですが、設立当初の目的とは、
今や全く違う目的の施設になっているので。
東京都も周囲の他府県への見本となるような
「動物愛護相談センター」の呼び名に相応しい施設に、
まずはリニューアルを検討して頂きたいなと思った次第です。
(横浜の新しい動物愛護センターに比べると、随分差を付けられているようなので・・・)
がんばれ!東京都動物愛護相談センター!

↑ 日中のひなたぼっこタイムの犬達。
動物愛護相談センター見学会に参加してきました。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/index.html
1時間半のレクチャーと30分程度の施設見学です。
レクチャーの内容をまとめようかと思っていた所、
過去に見学会に参加された方々がUPなさっている、
見学会レポートが色々とありましたので、細かな数字のデータ等は省きます。
今回の内容と重複する点も多かったので、興味のある方はご覧になってみて下さい。
地域によって様々なので、他県のレポートも是非チェックを!
以下は、見学会を通じて個人的に印象に残った部分のみ紹介します。
犬の殺処分数は、譲渡不可と判断される犬達以外は、
かなり減って来たとのことですが、猫はまだまだ多く、
全体のうち殺処分数の9割は「猫」だそうです。
今後、猫の殺処分数を減らして行くことが、最大の課題とのこと。
ある程度成長した子猫の譲渡はまだ良いのですが、
保護された成猫の譲渡は、性格上懐きにくい等かなり難しく、
また、へその緒がついた状態の子猫の場合も、生存率も低いそうです。
又、野良猫(地域猫)との共生をめざす活動も、
一定の成果を上げているということが判明しているようです。
屋外暮らしの猫の平均寿命は4年程度らしいので、
地域猫活動には賛否両論あるようですが、繁殖制限措置が行き届くと、
地域猫の頭数は確実に減少するというデータも出ているそうです。

H:「100%アウトドアライフは、色んな危険と隣合わせで、大変ニャ」
↑ このコは、数年前に植え込みの中で絡まり動けなくなって
ニャーニャー鳴いている所を私に見つかり、その後、猫飼育ベテランの方々に
無事レスキューしてもらえたHちゃんです。今はあるご家族の一員です。
施設内の保護動物達の撮影は不可でしたが、私が見学した日は、
猫の収容数は0で、犬は20頭くらいは収容されていたと思います。
施設はかなり古い物で、年季が入っていましたが、冷暖房完備で
清掃がなされており、犬達はまとめて複数ではなく、
個々のスペースに1頭づつ収容されていて安全を守られていました。
(1頭につき1個室のスペースが与えられていました)
保護犬の中には性格の良さ等から適性を認められて、
小学校での動物教室に活躍する保護犬達もいます。
見学当日も、動物教室に活躍する保護犬達はセンター内で過ごしていましたが、
落ち着いた様子で、数頭まとまって個室に居ました。
一昨年、某小学校の動物教室を見学に行ったので、
彼らが活躍する場面も実際に見ていた経緯があり、
日頃はこうして過ごしているのだなということが分かりました。
ちょっと残念に思ったのは、動物教室に貢献している犬達なのに、
寝床になるようなタオルケット等がスペース内に一切置いてなかったこと。
1〜2年くらいセンターにいるのであればもう少し高待遇でも良いのでは?
と思いました。
保護期間中(7日間)の犬達は、こちらに随時UPされています。
http://www.awic-tokyo.jp/
保護期間を過ぎた犬達の写真を掲載はされていません。
この日も、収容動物達の写真撮影はNGでした。
撮影可能か聞いてみた所、過去にセンターの動物達の写真をネット上に
掲載したことによって、まだ飼い主を探している保護期間中の動物に、
譲渡希望者からの連絡が多数発生してしまった等の問題が
発生したことがある為、撮影NGで・・・すみません!とのことでした。
(他の方がUPしている過去のレポートでは、動物達の写真も掲載されてあります。)
7日間の保護期間を過ぎた動物達の中で、譲渡に相応しいと判断された場合
センターが主催する譲渡会に出たり、譲渡対象団体等に引き取られるそうです。
譲渡に適さないと判断された場合のみ、殺処分となるそうです。
(犬の場合は噛み付く、治る見込みのない病気を煩っている、怪我がある等)
しかし、高齢であっても譲渡可能と判断し、引き取りを希望する保護団体や、
ドッグトレーナーがいる団体等では、訓練次第で更正ができると判断された上で、
引き取られるケースもあるようで、譲渡が難しいであろう動物であっても、
センターから保護団体に引き取られた後、正式譲渡に至るケースもあるようです。
最近では、ペットショップの方針等もあって、
マイクロチップの普及率もかなり上がってきたのですが、
マイクロチップが入っていても、肝心の飼い主情報が登録されていない(!)
というケースも多いそうです・・・。
また、マイクロチップ等から所有者が判明し、連絡がとれても
迎えに来ないというケースも少なくないそうです・・・(涙)

H:「入れるだけで登録してなかったら、何の意味もないニャ。」
以前は、マイクロチップから読み取れる情報はID番号のみでしたが、
最近では、詳細の情報をその場で読み取れるタイプのマイクロチップもあるらしく、
調べてみたところ、最新のものだとPCに繋げる必要もなく、読み取り機だけで
ペットの名前、生年月日、狂犬病予防等ワクチン接種・治療履歴、
血統証明等の動物情報、緊急連絡先など日本語換算で約100文字分の
情報が分かるそうです・・・すごい!
更に動物情報の書き込み、追記、履歴の更新が可能とのこと。
色々進歩してますね。
センターが開催する譲渡会で譲渡される犬というのは、
小・中型犬で比較的若く、元気があり性格的にも問題が少ないコに
限られているようです。安全面等を考慮した結果なのでしょう。
扱いやすいコをエントリーさせている可能性が高そうなので、
初心者の方は、センターが開催する譲渡会に参加すると良いかもしれません。
そうしようと思ったら、必ずセンターの開催する譲渡前講習会を受ける必要があり、
飼い主としての心構えが問われます。(譲渡前講習会は無料です)
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/jouto/koushu.html
大型犬の場合などは保護団体への譲渡が多いようです。
団体譲渡の場合、個々について詳細が把握できているというメリットがあります。
希望者の適性もじっくり判断することが出来る点もあります。
センターの譲渡会にも出せず、保護団体でも受け入れてもらえないとなると、
保護動物達の数が多くなってきたり、受け入れ先が手一杯になってくると、
大きな問題がなかったとしても、行き場を失う可能性が出て来ます。
ボランティア団体の活動方針や譲渡条件等は
各団体に委ねられていますので、各団体のHP等を見ると知る事ができます。
譲渡対象団体のリスト
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/douso/jouto/saimoku.files/jouto-dantai.pdf
センターからの譲渡よりは譲渡条件が厳しく設定されていることもあるようですし、
その逆もあるかもしれませんので、自分に見合う所を見つけ出す所からが課題です。
また、希望者と保護団体との間でトラブルが発生することも稀にあるようなので、
犬を迎える時は気持ちが高ぶり、焦りがちですが、
じっくり、ゆっくり、冷静に判断する気持ちが大事かと思います。
動物愛護相談センターの見学会は色々と勉強になりました。
今回は推進員対象の見学会でしたので、
推進員が活動する上で起こったトラブル等のお話も聞けました。
相手の気持ちや周囲の人達との環境や調和も考え、
人にも動物にも思いやりをもって判断し行動することや、
また、深刻な問題が生じた時には、一人で考え行動しないということも大事。
難しい課題ではありますが、相手の気持ちや周囲の人達との環境や調和も考えつつ、
人にも動物にも思いやりをもって、判断し行動することを心がけたいと思いました。
最後に思ったこと・・・
東京都動物愛護センターの施設自体が、古過ぎのような気がしたので
そろそろ新しい施設に作り替えても良いのではないかと思いました。
時代によって、その役割も呼び名も随分変わって来たようですし、
法律も随分変わっているので、都度、対応に追われる職員さん達も、
一苦労だとは思うのですが、設立当初の目的とは、
今や全く違う目的の施設になっているので。
東京都も周囲の他府県への見本となるような
「動物愛護相談センター」の呼び名に相応しい施設に、
まずはリニューアルを検討して頂きたいなと思った次第です。
(横浜の新しい動物愛護センターに比べると、随分差を付けられているようなので・・・)
がんばれ!東京都動物愛護相談センター!

↑ 日中のひなたぼっこタイムの犬達。
by scentline
| 2013-04-17 12:48
| ボランティア
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